「パース! マンガでわかる遠近法」感想
難易度:★★★★☆(序盤はパース塾とそんな変わらないのですが、後半かなり難しい話になってきます。海外の本でクセが強く最初とっつきにくいです)
満足度:★★★★☆(他の本では教えてくれない「そこんところ詳しく」をちゃんと解説してくれる)
推薦度:★★★★★(パースの決定本を1冊選ぶなら間違いなくこの本)
ページ数:p176
値段:¥1680
推定消化時間:20日程度
通称「マグ本」といわれるパース解説本がこの「パース!マンガでわかる遠近法」です。なぜマグ本といわれているかというのは本を手にとっていただければすぐに分かるのですが、この本の登場人物の一人が頭部がマグカップのキャラクター、「マグ」だからです。(日本語版の表紙にも小さく登場しています)日本人の感覚からは「かわいい」と程遠いこのインパクト大なグロ…濃いキャラクター、マグがこの本の著者チェルシー氏にパースを学ぶ、といった漫画のストーリー形式でパースが解説されていきます。

(※本書のハイライトシーン:読者の為に皮下ヌードになってくれた主人公マグとチェルシー氏…これで大体この本がどういうノリか察していただけるかと…)
漫画で解説してくれるので「マンガでわかる」というタイトルになっているのですが、この「マンガ」というのが日本の一般的な漫画と少し違うので、慣れるまでは却って読み辛い部分もあります。全コマが全く同じサイズの6コマに分割されており、ぱっとページをめくっただけではどこが重要コマでそうでないコマなのかさっぱりわかりません。また、どのコマで内容が切り替わったのかもぱっと分かり難いです。(かならずしもページで内容が切り替わっていなくて、途中コマで急に内容が変わったりする)読み進んでいくうちに「マグ理解度高すぎ」という突っ込みをせざるを得ないのもこの本のお約束ですが、そんな色々と濃い要素をさっぴいても、やはりこの本はパース解説本の決定本である事は間違いないでしょう。
いろいろ数を買いたくない、1冊で全てを済ませたい、という方は「パース!」1冊買っておけば間違いないと思います。
■良い点
・初歩からかなり高度な所まで網羅している
・ステーションポイント(立ち位置)・重力線・視円錐の解説がある
・幅と同じ高さの立方体を描く方法の解説がある/奥行きを正確な距離で描く方法
・視心の角度からパースを求める方法
・対角線を利用して2点透視図から3点透視図へ消失点を求める方法
・パースの円の描き方/人体のパース
などの解説がある。
■悪い点
・漫画スタイルの解説がかえって要点を分かりにくくしている部分がある。
・ドリル式に模写するにはあまり向いていない(全部がコマなので語り用コマと例題コマの区別がつきにくい)
・重力線・視円錐・ステーションポイントを考慮したパースの描き方など計算的なパース解説が多いので、まさにそこが役立つ代わりに難解で初心者にはハードルが高い
・影のパースについては触れていない
・マグの存在自体がホラー
「パース塾」で「なんでそうなるのか分からない」というかゆい部分に手の届くのが「パース!」です。一般人でもおそらく「1点透視図~3点透視図」のざっとした理論については義務教育で習うので簡単なことは知っていると思うのですが、実際に使おうとすると重要になってくるコツがいくつかあり、「分割&延長」(画面内に消失点が無い場合にパースを求める方法)などがその最たるものだと思うのですが、それらはパース塾や他の簡単な初心者向けパース本でも解説されていますが、「正確な立方体を描く(幅だけでなく奥行き・高さも幅と同じように正しい比率を求める)」事をしようとした時に、その方法を描いた本というのは実に少なく、お絵描き解説向けのパース解説本の中ではこの「パース!」ぐらいかと思います。
あとは、視円錐の概念とゆがみの概念を理解できていない為に不自然なパースを描いている作例はパース解説本の中でさえ多く、こういったポイントを知っていると知っていないとでは実践面で大きな違いが出てくると思います。
1冊目には難易度が高いかもしれませんが、パースをきちんと勉強しようと思った時は必ずもっていたほうが良い1冊です。
私のおすすめは「パース塾2」→「パース!」の順です。
まだまだパース本持ってますので残りの本についても後日記事にします。主なお勧め本は「パース塾2」と「パース!」の2冊で変わりありません。
Posted: 1 月 10th, 2012 under ポーズ集.
Tags: パース, 参考書, 参考書感想



