「脳の右側で描け」&「脳の右側で描け ワークブック」終了
■脳の右側で描け(Amazon商品ページへ)
難易度:★★☆☆☆(初心者向けだが講義部分で読むのが嫌になって挫折しやすい)
満足度:★★★★☆(ワークブックよりこちらの方が詳細で課題の数は多いです。)
推薦度:★★★★☆(ワークブックだけでは何故効果があるのか納得できない人はこちらの理論を読むと説得されるでしょう。)
ページ数:p278
値段:¥2200
推定消化日数:1ヶ月~50日程度
■脳の右側で描けワークブック(Amazon商品ページへ)
難易度:★☆☆☆☆(初心者向け)
満足度:★★★★☆(絵の教育を受けた経験のない人ほどありがた味がある。すでに美大受験程度の美術教育を受けた人にはいらないと思われる。)
推薦度:★★★★☆(自分は絵が下手だと思っている人はやってみると考え方が180度変わります。)
ページ数:p148
値段:¥1800
推定消化日数:1週間~40日程度
■コメント
「これまで特に絵を習ったことがない」「他の人に比べてむしろ絵は下手なほうだ」「自分に絵の才能があると思った事は一度もない」ような人を対象とした本です。それどこのダイエット詐欺広告!?というような劇的な使用前・使用後を体験できます。実際にやった各課題の記事はこちらのカテゴリで。
↓5日間のワークショップ受講者受講前受講後例一部

美術部や絵画教室、美大受験専門学校のような場所である程度絵を学んだことがあったり、クラスの中でも絵の上手い人で通ってるような、元々極意を体得しているような人には「なんだ、そんな事すでに知ってるよ」というような内容かもしれません。究極に初心者向きです。
そもそも、絵の特訓をしようとも思っていないぐらい自分が絵を描いて上手く描ける可能性なんてあるわけがないと思っているような人がこのカリキュラムを体験しちゃうと「オレって絵の天才なんじゃね?」なんて思ってしまうという驚異のプログラム。
全く絵が上手くなる自信がないんだけど、漫画やイラストを描くのにあこがれている…自分には本当に才能がないのかな?なんて思っている人は騙されたと思ってこれ1冊やってみると自信がつくと思います。やみくもに模写練習初めてはみたものの、ちっとも見たとおりに描けない、という人にもあっけないほど簡単にコツが習得できると思います。
Posemaniacsさんの30秒ドローイングから絵の練習をスタートさせる人も多いと思いますが、Posemaniacsさんは元々この「脳の右側で描け」で展開される理論を元に設置されたサイトです。
なので、30秒ドローイングをやっているけれども、これがそもそも何の練習なのかが分からない、とか、15の課題やってみててもそれが何になるのか今一つ良く理解できない、という方はこの本を読むと、なぜああいう課題が設置されているのかとてもよく分かると思います。
私は30秒ドローイング200日目を超えてから伸び悩んでおり、なかなか壁が越えられませんでしたが、このワークブックをやってみたことでその内の何点かはクリアする事ができました。30秒ドローイングを続けている人にも、ぶち当たった壁をクリアする大きなヒントを与えてくれる本だと思います。
この本を通じて、自分がしていたアプローチの大きな間違いにもいくつか気がつくことができました。
できれば、練習日数を重ねる前の早い段階でこれをやっておいた方が正しいルートで練習できるように思います。私はこの本を後回しにしていた事を大変後悔しました。
本来の本とワークブックの違いについてですが、「脳の右側で描け」の方は「右脳理論」の解説にかなりのページを裂いています。B・エドワーズ氏がそもそも脳科学の観点から「絵を描く」というのはどういう脳の働きなのかという事を検証実証する為に設けた5日間のワークショップがこの本で解説されている内容です。なので、こちらの本は実際のワークショップで行われた内容を紹介するにとどまらず、それがどのような意図で設定されどのような効果が得られたかの考察を紹介している半ば講師を対象とした教育論の本にもなっています。
一般的な絵の技法書と同様に模写練習などをしようと開いてみると、文章ばかりでほとんどが講義の為に、実際に手を動かす段階に至るまでに何時間もの時間を費やしてそれらの講義を受けているような気分になります。おそらく、その時間で他の参考書に手が伸びるかあるいは初めのいくつかの課題をやった時点で挫折するでしょう(というか私がまさにそれで最初の3課題やったまま数年寝かせていました)。
課題の意図や解説については「脳の右側で描け」の方がおそらく詳細なのですが、詳細に過ぎてワークショップの内容を同様に実践しようと思うと効率よく課題をこなすことができないのが難点です。
その点ワークブックは課題の設定のみをまとめたドリル式になっていますので、淡々と課題をこなすことができます。両方読む事が深い理解にはベストですが、ワークブックからまず始めて、分からないところが出てきたら「脳の右側で描け」を開いて詳しい解説を読む、というやり方が一番早く全体を理解できるのではないかと思いました。
ワークブックをやる前には膨大すぎてうんざりするような分厚さでしたが、やった後では「脳の右側で描け」もほとんどパラ見するだけで理解できるようになります。こちらの本だけで課題を挫折してしまった人にはワークブックはとてもお勧めです。


(左図)表紙は厚紙。使いにくいので切り離しました。(右図)本の後ろに付録でピクチュアプレイン付き。
ワークブックはソフトな紙でできており、表紙も厚紙で、鉛筆と相性のいい、そのまま本に描き込みやすい作りになっています。毎課題毎に紙を購入することを思えば、¥1800は紙代だと思えば別段高くないのではないかと思います。
全部で40課題ありますが、それぞれ15分~1時間程度でできるものばかりですので、まとまった休暇のとれる人ならワークショップ同様5日間で、毎日1課題ずつやる人でも40日で1冊終われるので、参考書の部類としてはクリアしやすいものだと思います。
40課題で鉛筆、ペン、木炭など基本的な画材の使い方、描き方を習得できますし、独学で勉強していたのでは分からない課題を体験できます。美術教育を受けたことのない人ほどそれぞれ新鮮で、自信につながる体験ばかりだと思います。
とにかくどの課題も毎回「こんな事ができるんだ」「自分でもこんな風に描けるんだ」と自分の能力を発見させてくれてやっていてとても楽しいです。
あまり色々な画材を触ったことの無い方も、1冊やっておくと表現の幅が広がって良いと思います。
ワークブックではモノクロで終わっていますが、「脳の右側で描け」の方には巻末にカラーの項目があります(カラーページが何ページか挿入されています)。そちらの課題についてはワークブックにないので、「脳の右側で描け」の方がより進んだ所まで扱っています。
が、こちらの本は課題につかう見本画なども全て小さく、課題の部分がみつけにくいので実践するにはやりにくい本です。それぞれ用途に合わせて使い分けるのが良いと思います。
この本の課題では様々な画材を使うので、始めてから画材を買いに行っていたのでは非効率的なので、本を買った時に一緒に画材もそろえておくといいかもしれません。
必要な画材を描き出しておきます。
消しゴム
グラファイト・スティック(グラファイト鉛筆) ※私は4Bでやってしまいました
木炭 ※(定着スプレーと練り消しも買っておくといいかも)
チャコールペンシル(芯鉛筆) ※無くてもなんとかなるかも
コンテ・クレヨン 黒1本 赤褐色1本
チョークorパステル(淡いグレイ1本) ※無くてもなんとかなるかも
フェルトペン(水性ペンならなんでもok)
黒インク(墨汁や透明水彩黒でも代用可)
水彩用絵筆(中ぐらいの太さのもので十分)
キッチンタイマー
ペーパータオルまたはティッシュ
ピクチュアプレインを補強する為の厚紙※(記載とサイズが微妙に違うので注意)
大きめの鏡
画題…生花/みかん/葉っぱの植物/椅子/家庭雑貨/スポーツ写真/ドアを開けた光景/部屋のコーナー/ひざ&足/机の上の本/楕円の静物/横顔の人物モデル/アメリカ国旗(縞模様の布)/白い卵/都市の風景写生/
訳についてですが、微妙に不親切です。所々矛盾が出てきます。訳者の北村孝一氏が訳された本はことごとく技法書の中でも名書と評判の高いものばかりなのですが、どれも訳がまずいという悲しさ…。私が持っているのは第三版なのにちっとも直ってません。出版社さん、次からもっと訳者を選んで…。
※「脳の右側で描け」を5日間で体験するワークショップに参加された時の様子を記事にされているblogさん
・「小鳥ピヨピヨ」(管理人:いちるさん):記事「「脳の右側で描け」のワークショップ」 記事「「脳の右側で描け」のワークショップで自画像を描いたよ」
・「Windowsのフリーウェア、フリーソフトを紹介 - KOCのブログ」(管理人:KOCさん):記事「はじめての、脳の右側で描け」
Posted: 9 月 9th, 2008 under 参考書.
Tags: 参考書感想, 脳の右側で描け






